社交ダンスでラテン曲といえば「ルンバ」と「チャチャチャ」といわれるほど、踊る側にとっても演奏する側にとっても人気の曲です。"キング オブ ラテン"といわれたザビア・クガート楽団のテーマソング「マイショール」は美しく情熱的なルンバのナンバーとして有名です。

実はこのルンバとチャチャチャは、非常に密接な関係があります。 歴史的に見ると、1920年代に生まれたキューバの「ソン(Son)」を起源に「ルンバ」が作られました。このルンバにジャズの要素を取り入れて、1930年代後半に「マンボ」が作られ大流行します。ペレス・プラド楽団の「マンボNo.5」は誰もが知っている有名な曲ですね。

このマンボに4分音符2拍+8分音符の3拍の4ビートで「1,2,チャチャチャ」と聞こえるリズムを加えた音楽が「チャチャチャ」で1951年にエンリック・ジョリーンが初めて紹介したと言われます。 つまり「ルンバ→マンボ→チャチャチャ」と発展してきた、すなわちチャチャチャはルンバの孫ということになります。

ですので、音楽的にルンバとチャチャチャは音楽として共通する点があるのですが、チャチャチャの語源にもなっている「チャチャチャッ」という独特のリズムがあるかどうかで違いがわかります。またテンポもルンバが約110拍/分に比べてチャチャチャが約120拍/分と若干チャチャチャの方が早いテンポであることも特徴の一つです。

あと曲想(曲の雰囲気)の違いでは、チャチャチャは陽気で軽快、ルンバは色っぽくて情熱的な曲で、これはそのまま社交ダンスの踊り方の違いにつながるところだと思います。