Posted on: 2014/04/07(月) - 17:28 By: omizu
バンマスのみずたには、バンドが所有している楽譜を管理している関係もあって、バンド用の楽譜を作成することがよくあります。
というのも、昔の楽譜は何度も使われたために楽譜が痛んで見難くなっているものがあります。また、昔の楽譜はトランペットやトロンボーンが3パートしかないものがあり、4番Tpやバストロの楽譜を書き足すこととかもしています。
 
昔は五線紙の上に写譜ペンで手書きするのが当たり前でしたが、最近はPC上で作譜専用ソフトを使ってワープロのように作るのが主流です。
操作に慣れるまでに時間がかかりますが、細かく設定をすると市販の楽譜と比べても変わらないほどの高いクオリティの楽譜が出来上がります。
 
そんな「作譜ソフト」というが世の中にいくつかあるのですが、その中でも有名なのは「Finale」と「SIbelius」という2つのソフトです。
この「Finale」と「SIbelius」は10年以上も前から楽譜作成に特化して開発され続けており、プロ&アマ問わず演奏家、作曲家で使われ続けて、今では楽譜出版業界でも実際に用いられるデファクトスタンダードのソフトとなっています。
 
この2つ、それぞれに長所・短所があって「どっちが良いか?」という質問に一言では答えにくいので、これから使うという人は正直悩むかもしれません。以前のバージョンでは入力方法の違いやファイルフォーマットの違いで互換性が低かったのですが、最近のバージョンは入力方法もカスタマイズできるようになっていて、使い勝手についてはほぼ互角です。
 
ということで、両方を使用しているコンマスみずたにが「Finale」と「SIbelius」の違いを独断と偏見で語ってみます。

Finale

このソフトは楽譜出版業界の標準ソフトで得にアメリカ・日本で売られているソフトの大半はこのソフトで作成されている(らしい)とのことです。
なので「既に出来上がっている手書き楽譜があってその楽譜を綺麗に仕上げる」とか「ある程度楽曲の構想が決まっていて譜面へ最終的に仕上げる」いう作業をするのであればFinaleはその価値を存分に発揮すると思います。
でも、これから楽曲をスコアに入力しながら作曲してつくり上げてゆくとか、スコアからパート譜を素早く作成する、ということは苦手です。
MIDIを使った外部音源による再生もGM音源しか対応していない、各パートへの音源設定機能がしょぼい、というところからも、作曲しながら楽譜を仕上げる、という点では不利です。
また「コーダ切れ」問題は有名で、小節と小節を離すという機能がFinaleには基本的にないため、うかつに編集するとページフォーマットが崩れてしまうということもあります(最近のバージョンは随分改善されましたが)
出版会社で使われているということもあって、Finaleは「写譜・浄書」を行うという前提で作られているソフト、として考えたほうがよいです。
とにかく楽譜を綺麗に作る、ということを目指すのであれば、FInaleがおすすめです。

Sibelius

元々は海外で開発されたソフトで、以前はYAMAHAが販売していましたが今はAVIDが販売しています。
この販売代理店から分かるように、このソフトのコンセプトは作曲・編曲することを主に考えられているソフトなのだ、と勝手に考えています。
そのためか、比較的音楽家や作曲家の間で良く使われていて、音符操作も直感的で素早い変更や編集ができます。
ただし、テキスト機能が弱く、テキスト文字の配置や記号や線が重なり防止が上手く働いてくれなくて、印刷時に良く見ると記号が重なっていることがあります。
また、Finaleには無くSibeliusだけにある、とても便利かつ強力な機能として「パート譜の書式コピー」というのがあります。
これは、段改行やページ改行、小節の幅やマージンなどのパート譜の書式をパート間で複数コピペできるので、スコア譜を作って或るパート譜1つ作ればあっという間に全パートで同じ書式の楽譜が出来上がる、という優れものです。
また出来上がった楽譜をネット配信するプラグインもあって、楽譜の共有が簡単にできます。
 
 
そんな訳で、2chとかでも議論になっていて人それぞれの意見があるかと思いますが、コンマスみずたに的にそれぞれのソフトの特徴一言で言うと
Finale:手書きで作曲・アレンジして、楽譜をPCで浄書して印刷することがメインの人。メジャー派向け
SIbelius:PC上で作曲・アレンジして、効率よく楽譜を作成することがメインの人。マイナー派向け
となります。購入を考えている方は参考にしてみてください。
 
ちなみにコンマスみずたには最初「Finale使い」でしたが、2年前から「SIbelius使い」に変わりましたが、まだまだ使いこなせていません。