Posted on: 2014/09/15(月) - 18:07 By: omizu
社交ダンス向けのダンス音楽を主に演奏している、ということで社交ダンスの世界に右足の足首くらい突っ込んでいる身ですが(どーゆーこっちゃ?)、最近のニュース記事で動向をウォッチしているのが「ダンス規制」の話題です。
 
この話題、発端は深夜の飲食店(俗に言うクラブ等)にてダンスミュージックを店内に流して営業目的の「ダンス」をお客に無許可で提供させた、ということで風営法違反で老舗のクラブの経営者が逮捕された、という出来事からミュージシャンや国会議員を巻き込んで風営法上のダンスに関する規制見直し&緩和を求める声が高まっています。
 
客にダンスをさせる営業の規制緩和を検討してきた警察庁の有識者会議は10日、ダンス教室を風俗営業法の規制対象から外すよう求める報告書をまとめた。風営法から「ダンス」という文言を削除。暗い空間で大音量の音楽を流すクラブは、店内の暗さや営業時間に応じて規制する。警察庁は秋の臨時国会に改正法案を出す。
 
そもそもの事の発端となった「風営法」なんですが、この法律の第2条で「風俗営業」というものが規定されています。それを抜粋しますと
  1. キヤバレーその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客の接待をして客に飲食をさせる営業
  2. 待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)
  3. ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(第1号に該当する営業を除く。)
  4. ダンスホールその他設備を設けて客にダンスを させる営業(第1号、若しくは前号に該当する営業又は客にダンスを教授するための営業のうちダンスを教授する者(政令で定めるダンスの教授に関する講習を 受けその課程を修了した者その他ダンスを正規に教授する能力を有する者として政令で定める者に限る。)が客にダンスを教授する場合にのみ客にダンスをさせ る営業を除く。)
  5. (以下略)
と言う形で定められています。
 
法律的な言葉なので分かりにくいのですが、要するに1.は所謂キャバレー、2.はキャバクラの類、3.がディスコ等のナイトクラブの類、4.が社交ダンス等のダンスホールやダンス教室になります。
 
特にこの3.と4.が広く解釈されていて、ヒップホップダンスだろうが社交ダンスだろうがサルサダンスだろうが関係ねーよ、「ダンス」って名前がつく「行為」ができる店&営業であれば、全部同じ法律を適用するぞ!ってことなのです。
 
つまり、
・ダンスができるフロアがあって、飲み食いができるお店は「風俗営業」ですよ。
・ダンスだけができる店やダンス教室という名前でも、資格のある先生が教えたりしないと「風俗営業」になりますよ。
・これらの「風俗営業」をする場合は、警察の許可が必要なのですよ。勝手なことをすると逮捕しちゃうぞ。
ということです。
 
この縛りがあるため、私たちの主戦場である社交ダンス専用のダンスホールは「厳しい立地条件を満たす必要がある」「営業時間が限られる」「飲食が同一フロアでできない」「資格のあるダンサーを常勤させる」などなど、さまざまなハードルをクリアして営業してるのが実情なんだそうです。(参考→http://j-net21.smrj.go.jp/establish/startup/jirei_06012.html)
 
これに関しては「さすがに厳しすぎるだろ」と常々思っていました。昼間の、しかも健全な紳士淑女の集まりを、夜のナイトクラブと同一視するのはどーよ?と。
 
また「政令で定めるダンスの教授に関する講習を 受けその課程を修了した者その他ダンスを正規に教授する能力を有する者として政令で定める者」が居なければ「社交ダンス教室」も「風俗営業」と看做す、っていうもの、社交ダンスに限らずダンス界全体の普及を大いに妨げている原因じゃねーのか?!と思います。
(追記:このダンス教師の資格認定制度は「社交ダンス」のみしか無いらしく、社交ダンス以外のダンス教室は、法律上すべて「風俗営業」になるんだそうです→http://www.bengo4.com/topics/962/)
 
事実、この「ダンス規制」で一斉摘発をくらった出来事のあと、一部の市町村の市民会館や体育館で、社交ダンスサークル主催の社交ダンスパーティや社交ダンス練習会の申請が一時通らなくなったケースもあったらしいです。
 
お役所として「市民のための施設を「風俗営業」に利用するわけには行かない」という行き過ぎた解釈からなんだそうですが・・・ここまで神経質になるのはいかがなもんかと。そもそもは違法営業をしていた一部のクラブ・スナック等の経営者のせいなのですが、それほどまでに「ダンス」というのを一律で「よくないもの」と見なす法律はどうかと疑問には思います。
 
そんな中での今回の改正案が検討されたのですが、ポイントは「ダンス」という文言を風営法から削除するということで、これにより
  1. 飲食を提供しないダンスホールや、ダンス教室は規制から除外する
  2. 飲食を提供するダンスホールの場合、提供する場所の「明るさ」で区分けする。10ルクス以上で深夜0時までの営業時間であれば、風営法の規制から除外し、通常の飲食店営業と同じ扱いとなる
というもの。これは社交ダンス界としては非常に良い方向に進みます。
 
1に関して言えば、特別の届出やダンス教師の資格がなくてもダンス教室を開くことが容易になります。これは小中学校の義務教育授業で「ダンス」の科目が必修になったため児童向けのダンス教室の普及が求められている、という流れもあるんじゃないかな、と思うのですが、いずれにせよこの流れのなかで多くの社交ダンス教室が開設されることで、社交ダンス人口が増えることが見込めます。
 
特に2についても、ダンスホールの設備を満たせば上記1になって「風俗営業」から外れるわけですし、仮にダンスホールの設備を満たしていなくても、フロアを明るくして深夜まで営業しなければ、風営法上の届け出をしなくても、店を新たに構えることが可能になります。社交ダンスではフロアを暗くする必要はありませんから、社交ダンスを踊って食事もできる店が今後増える、ということが見込めます。
 
我々としても、この改正案は大いに賛成です、というのも
「ダンスホールや社交ダンスが踊れる店がが増える」
 ↓
「CDだけの伴奏では飽きる」
 ↓
「差別化として生バンドでの演奏が期待される」
 ↓
「我々の出番が増える」
 ↓
「フェニックスサウンズオーケストラの時代がキターー!!」
ということになるわけです(笑)
 
秋の臨時国会に改正法案が提出される、ということなので、国会で通れば早くても来年の秋か再来年あたりには施行されるのではないでしょうか。
 
この改正案で社交ダンスが身近に踊れるようになって、皆様に生のダンス音楽をお届けできるようになるためにも、ぜひ改正法案成立を望むところです